それくらいのもの自分にも書ける

 小説を読んでいて、そんなふうに思うことはほとんどない。
 話題になっているブログやネタサイトの記事を見ると、それくらいのもの自分にも書けるわぁと、思っているような感じになることはある。何故「感じ」なのかというと、実際に書けるか?、というと、書けないからだ。
 どうして書けないのかというと、どんな程度の内容にせよ、とりあえず読めるような文章にみえるように書くのは、それなりの手間ひま気を使う。それらを使わない自分には、書けない。だから「自分にも書けるんじゃないかと思うわぁ」。
 それにしても、「これは本当におもしろいのか?、役に立つのか?、書いている意味があるのか?」と、けわしい顔になってしまうほど、内容が無かったりつまらなかったり薄かったりする文章はある。若い女性向けの、ちょっとしたお得情報などは、それがはなはだしい。こんなにくだらないものを書いている人は、いったいどんな気持ちなのだろう、と時々考える。しかし、それによって収入を得ている人は、書くことによって収入を得たいという人からすると、一歩踏み出しているので、「えらいなぁ」と思ってしまう。それが自分の書きたいものかというと、違うのは確かだが、書いていることによって対価を得ていることに夢見る乙女のように憧れる。