包丁を研ぐ

 包丁を研ぐのは、実は意外と時間がかかる。砥石に水を含ませなければならないからだ。砥石を見ずにいれると、「プクプクプクプク…」と小さな音をたてて気泡がたくさんでてくる。それが出てこなくなるまで待つ。
 頻繁に研いでいれば、そんなに時間はかからないのかもしれないが、ちょっと面倒くさがって、いつもちょっと間があいてしまうので、ちょっと手間取ってしまう。
 この「ちょっと」が生活のクオリティを下げる。
 包丁の研ぎ方は、箱の裏に書いてある説明だけが頼りなので、正しいのかどうかわからない。研ぎおわったあとは、切れるようにはなっているけれど、うまいひとがやったら、もっとスパァと切れるんじゃないかと思う。
 包丁は全体を三から四分割して、表裏同じように同じ回数研ぐのが良い。数を数えているが、時々わからなくなる。刃物を扱っているのでそこに集中していなければならない。テレビを見ながらできる作業ではない。しかし単純作業なので、正直飽きる。いやそんなことを言っているから低クオリティになってしまうのだ。もっともっと観察して注意深くやるべきだ。何かを。そこはよくわかっていない。